東洋医学と西洋医学


東洋医学と西洋医学、どこが違うのでしょうか?

 簡単に言ってしまうと病気を治す考え方と方法が違うのです。考え方の違いは、西洋医学が病気の原因追求を主体としてその原因の除去ないし抹殺を治療の根幹となすのに対して、東洋医学は病の原因を水、気、血、寒、熱など大きく八つぐらいの分類におさめ、そこから生じる症状の緩和ないし改善を治療の主体としています。

 例えば、癌を例に取れば、西洋医学では癌病巣の徹底的追及とその排除に精力の全てを費やします。それに対し、東洋医学では癌そのものの排除よりは、癌により生じた痛みやしびれ、食欲の減退などの症状の緩和、ならびに癌に至った患者の体質の改善を治療の主体とするのです。


どちらが良いのでしょうか??

 どちらが良いかは患者さんの病態によって違いますよね。西洋医学的な方法を優先したほうが良い場合と、東洋医学的な治療がより効果的な場合と、人によって様々だと思います。まだ体力も将来もある若い人の場合は、西洋医学によるガンの徹底的除去が優先すべきでしょうし、高齢の方の場合、西洋医学治療が後の人生をさらに辛いものにする場合もあるわけで、むしろ東洋医学的な緩和治療により、癌をもつ体でありながら天寿をまっとうする方法もあるわけです。

 今の医療制度で東洋医学と西洋医学の両方をうまく使い分けることは本当に困難です。医療の細分化専門化が極端に進んだ結果、西洋医学の中においても、ちょっとした専門の違いで、ひとつの病院で二つも三つも違う科を行ったり来たりするのが、今の病院風景の日常となっています。ましてや、西洋医学の枠を越えて東洋医学的な治療や判断を求めたり、相談したりすることが如何に大変なことか分かりますか?
 特に癌などの難病になると、予期もしない様々な症状が肉体的にも精神的にもあらわれてきますから、より総合的な判断が必要になるわけです。


  当院では、基本的に急性期の病気および検査には現代西洋医学的方法を優先しますが、慢性化した病気や癌などの難病治療には東洋医学的診療を優先していきたいと思います。急性期の病気には精製された化学薬品である現代薬が即効すると思いますが、慢性化して体の本質的部分(体質)まで病気が深く入り込んだ状態には現代薬は無力のような気がします。むしろ、多くの草木の生命を取り込んだ漢方薬の方が、体の奥に入り込んだ病気の根を緩やかに消してゆくと同時に、自分自身の病気に対する抵抗力も改善してゆくと思われるからです。

 また、飲み薬としての漢方薬や現代薬、各種の注射薬を体の内側から治してゆくという意味で内治法と呼びますが、さらに鍼やお灸、カラー治療、温熱、光線療法等の外側から治してゆく治療法を外治法と呼びます。当院では飲み薬としての内治法に加えてカラ-治療などの外治法を併用することによりさらに著しい治療効果が期待できるわけです。

 さらに、これらの治療法の選択にパワーテストを用いることにより治療効果、治療結果を確実なものにしているわけです。