どちらが良いかは患者さんの病態によって違いますよね。西洋医学的な方法を優先したほうが良い場合と、東洋医学的な治療がより効果的な場合と、人によって様々だと思います。まだ体力も将来もある若い人の場合は、西洋医学によるガンの徹底的除去が優先すべきでしょうし、高齢の方の場合、西洋医学治療が後の人生をさらに辛いものにする場合もあるわけで、むしろ東洋医学的な緩和治療により、癌をもつ体でありながら天寿をまっとうする方法もあるわけです。
今の医療制度で東洋医学と西洋医学の両方をうまく使い分けることは本当に困難です。医療の細分化専門化が極端に進んだ結果、西洋医学の中においても、ちょっとした専門の違いで、ひとつの病院で二つも三つも違う科を行ったり来たりするのが、今の病院風景の日常となっています。ましてや、西洋医学の枠を越えて東洋医学的な治療や判断を求めたり、相談したりすることが如何に大変なことか分かりますか?
特に癌などの難病になると、予期もしない様々な症状が肉体的にも精神的にもあらわれてきますから、より総合的な判断が必要になるわけです。